ユーリカのひとりごと

映画の感想や日々思うことなど

映画「野生の呼び声」感想

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ハリソン・フォードの勇姿を見届けるため、早々にムビチケを買っていた。


新型コロナウィルスの影響で様々なイベントが中止になって気分が沈む中、リフレッシュにはうってつけの映画だと思い劇場に足を運んだ。
映画館は今まで見たことがないほどのガラガラ具合(時間帯が遅めだったせいもあるかもしれない)。貸しきり状態とはこのことか。終始スタッフさん達が楽しげに談笑していて、普段もこれくらいゆるくていいのにと思った。

 

映画はアラスカ・カナダのひんやりとした空気感がスクリーンから伝わってきて、実際に温度が下がったような気さえする。雪と大自然の描写が素晴らしく、これはスクリーンで見られて良かったと素直に感じた。
主人公の犬はとっても人間くさくて面白い(正直に言うと、広告ポスターなどからハリソンもとい冒険家のソーントンが主人公だと思っていた)。残酷すぎるシーンもなく、子供にお勧めできる映画だと思う。


ここからメタ的な話をすると、主人公の犬バックをはじめ、すべての動物がモーションピクチャで描かれているというから驚きを隠せない。

 

■‪ハリソン・フォード『野性の呼び声』、名犬を演じたのは人間! 元シルクドソレイユの体操選手
https://www.crank-in.net/news/74248/1/amp

 

作品を通して動物愛あふれる雰囲気なのも、監督のクリス・サンダースは過去にディズニーアニメーションでライオンキングなど手がけていたというから納得だ。

 

そしてストーリーについて、原作のアメリカ大ヒット冒険小説が描かれたのは100年以上前だいうから、映画本編は相当きれいに収めたな…と思っていたら案の定、登場人物などが大幅に変更されていたようだ。インディアン(あえてネイティブアメリカンとは言わない)がほとんど出てこない。
小説版ウィキペディアの記事がかなり充実しており、今まで数多くの研究者たちに分析されてきたことを物語っている。

 

■ 野性の呼び声
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E6%80%A7%E3%81%AE%E5%91%BC%E3%81%B3%E5%A3%B0

 

映画とは関係ないけれど、小説の原題「The Call of the Wild」を「野生の呼び声」としたのは名訳だと思う。

 

(この記事ははFilmarksの投稿と同じものです)

「スカイウォーカーの夜明け」感想2(ネタバレ有)

Twitterだけでも様々な人が様々な感想を述べていて、多くの人に熱量を向けられるスターウォーズを私も好きになれて本当によかった。前の記事に引き続き、ネタバレしていますのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

スカイウォーカー姓

登場人物が別の姓を名乗るシーンと言えば、森薫のエマを思い出す。こちらは何もないところから人に促されておずおずと名乗るが、レイは自分の意思ではっきりと選択するところが違う。

個人的には、レイは自分の出自にそのまま自信を持っていてほしかった(レイアが知りつつも訓練を施したように)と思う反面、新たな名前を得ることで生まれ変わる、ポジティブにはたらくこともあると思うので(乱暴な例だが、コンプレックスを治す整形手術など)、一概には「こうすべきだった」と断言できない。

あとは突飛な想像だが、例えばフィンもスカイウォーカー姓を名乗って「誰だってスカイウォーカーになれる」的なエンドだったら意味合いはガラッと変わってくるし、なんならこちらのほうが好きなくらいだ。

レイロシッパー的には、レイがスカイウォーカー姓を名乗った真意がもう少し気になるところ(カイロレンもといベンソロとの結びつき(有り体に言えば嫁入り)が前面に来るなら「レイソロ」になるはずなので多分違うのだろう)。

 

フィン2

ポーとめちゃくちゃ仲良くなっているし、ローズとも意味深な視線を交わしているし、ジャナの登場もインパクトを与えたようだし、レイに対しても強い絆がある今作で周囲との関係がぐっと深みを増したようで、かつての組織から逃げ回ることか最重要課題だった頃のフィンと比べて深みが増していて心から祝福したくなる。

映画的には中途半端で結局誰とどうなりたいのさ?という疑問が湧くが(批評としてはこちらの見方が正しいような気がする)、一筋縄ではいかないところが逆にリアルかもしれない。

 

ジャナ

これは意見が割れるところだと思うのだが、フィンはジャナに対して(あるいはジャナはフィンに対して)恋愛感情を抱いていたのだろうか?

男女の友情がアリだと思う派としては、彼らは「ストームトルーパーの脱走兵」という同じ境遇の者として強い共感を得てこそあれ、恋愛感情とはちょっと違うような気がする。

そして彼女はランド・カルリジアンの娘説があちこちで言われているが、個人的には先の映画ハンソロからランドはL3に恋する人というイメージが強いので、どこかで詳細が語られているといいな(確かアメコミでランド自身のストーリーが出ていたので今度確認してみたい)。

 

吹替版

日曜日の午前中の回、見終わって席を立ち、ぐるっと見回すと家族連れが約半数を占めていた。公開日からマニアックなネタやshipの考察を貪り読んでいたので忘れていたが、スターウォーズは間違いなく子どものための物語でもあるのだ。

吹替版は声を別撮りしているだけあって発音がはっきり聞き取りやすいし、捻った言い回しも少ないので、ストーリーを理解したり小ネタを拾ったりするのに最適だった。例えばジェダイの呼び声、字幕版ではさっぱりだったものの吹き替えでは何人かの声を聞き分けられて大変嬉しい。吹替版を侮ってはいけない!

 

ハックス将軍2

吹き替えで「ファーストオーダーの"新しい"スパイ」という表現がされていたので、寝返ったのはep8から9の間だろうか。前の記事で「スパイになった理由はレンではなく別に何かありそう」と書いたばかりだが、再度見直すとそうでもないような気がしてきた。

出世の道が絶たれたと悟った瞬間に敵方へ寝返るのも、ある意味ハックスらしいと言えるかもしれない。

 

ルーク

レイと邂逅した時、とても満足そうな表情で笑みを浮かべていたルークに「これでこそマスターですよ!」と心の底から嬉しくなった。

最後のジェダイの自らの過ちに苦悩するルークも人間味があって非常に親しみが持てるが(と書くと若干語弊があるかもしれないが)、圧倒的な力で新世代を導くルークは、まさに映画で私たちが見たかったルークの姿ではなかろうか。

 

パルパティーン

レンに対して「女に気をつけよ」と言ってみたり、レイに「お前が女帝になるのだ」と唆してみたりと方針がブレブレな皇帝だが、逆にそれが本来の皇帝らしいというか、手段を選ばないところがシスなのかもしれない。

 

蘇生

正直なところ「この人は死んでいます」という表現が割とあからさまで一瞬現実に引き戻された(人間はここまで短時間で土気色にはならないような気がする)が、突っ込むだけ野暮というか、あのテンポ感で表現するのには仕方なかったのだろうな。

 

レイアの死

レイアの身体がジェダイ的に消滅するタイミングがベンソロの死の直後であり、「もしかしたらベンソロをフォースで生かしていたのは、レイとレイアの共同作業だったのかもしれない」とぼんやり考えていた。

マズ・カナタが「私のお姫様」と表現していたのにはもう涙を禁じ得ない。話は飛ぶが、例えばビクトリア朝の物語で、執事がいつまでたっても若当主世代のことを「坊っちゃま」「お嬢様」と呼んでしまうのと近い何かを感じた。

 

カイロレン

「あなたカイロレンの事しか見てないでしょう」とSWつながりの知人に言われて、あながち嘘ではないなと思ったくらいには思い入れのある登場人物。書きたいことは山ほどあるので少しずつ。

殺陣について、ダークサイドを脱することを決意するまでは非常に重々しく戦っている印象だったが(うまく伝わるかわからないけれど、体の周囲が弾力性のあるゼリーで覆われていて、動きの一つ一つに力が入っている感じ)、十字のライトセイバーを投げ捨てた後は憑き物が落ちたような軽やかさで立ち回っていて鮮やかで、…彼の活躍をもっと見ていたかったと思うのはわがままだろうか。

「スカイウォーカーの夜明け」感想(ネタバレ有)

どうしても長めの感想が書きたくて、年単位で眠らせていたブログに再度ログインした。二度三度と観たらまた続くかもしれない。

 

 

 

情報量

劇場で高校生くらいの男子が「俺、全体の35%位しか理解できてないかもしれん」と話すのを聞いた。

私自身は予告や事前の情報から新キャラ達などをしっかり(図らずも)頭に入れていたから、その点では混乱までは免れたが、初見で全体を把握するのはハードルが高そうだ。

 

ランド・カルリジアン

前作でレイアの呼びかけはガン無視されてたけれど、ランドの呼び声にはこれだけ集まるのか!?

 

ルークの書物

レイがめくっていた古い本が気になる。金ローを見て思ったのだが、最後のジェダイでローズにかける毛布を探すとき一瞬だけ古い本が映る。これが伏線になってたのか?

 

ジェダイの呼び声

私の耳と記憶力がもっと良ければ!悔しかったので、ネットの皆さんの情報をまとめてみた。

個人的には、クローンウォーズと反乱者たちで胸を締め付けられたルミナーラの登場に胸が熱くなる。もちろんアソーカも。

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ルーク・スカイウォーカー

アナキン・スカイウォーカー

ルミナーラ・アンドゥリ

アソーカ・タノ

アイラ・セキュラ

メイス・ウィンドゥ

オビワン・ケノービ

ヨーダ

アディ・ガリ

ケイナン・ジャラス

クワイ=ガン・ジン

エズラ・ブリッジャー

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※この記事の作成後に、リバーさんのまとめを発見したので紹介させていただきたい。 ‪【ネタバレ解説】『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』でレイ◯◯◯◯◯ジェダイ◯◯ https://theriver.jp/tros-jedi/

 

フィン

フォースについての発言をしていて、ああこれは顔をしかめるファンが一定数いるだろうなと余計なことを考えたりした。

個人的には、第六感や勘、信仰対象である何かも含めて大きなくくりがフォースだと定義しているので、全然アリというか必要なシーンだと思っている。

 

C-3PO

予告編の映像から号泣する準備はできていた。想像以上の大活躍で、本作の心から嬉しかったところのひとつ。

途中あっさり復活したところで、ほっとしたのが半分と、「これこそがドロイドのドロイドたる所以!」と彼らが一層大好きになった。

 

ハックス将軍

映画雑誌にスパイ説が載っていた時は「まさかありえないだろう」と流していたので、誰かさんのように「やっぱりな!」とはならず、ただただ驚いていた。

いつごろから活動していたのか、何が契機になったのか?知りたいことが多すぎるので、スピンオフで補完されることを心から願う。

なんで、と問われたときにカイロレンのことを話していたが、個人的にはあれは照れ隠しで、別の理由があったのではないか?という気がしてならない。

って書きながら泣けてきた。彼の置かれた立場や孤独を思うと、それだけでももう胸がいっぱいになる

 

ネタバレについて

個人的なポリシーとしては「公式から出されたものはOK」「公式の意に反してリークされたものはNG」としていた。

Twitterで海外勢をほとんどフォローしていなかったこともあり核心に触れる画像などは全然踏まなかったのだが、公開まさに直前にちらっと立ち寄った家電量販店のおもちゃコーナーで「これはバレでは?」と思われるLEGOパッケージに遭遇、慌て回れ右をしたくらい。

 

レイロ

もはや緊張のあまり「2人の恋が結ばれて欲しい」というよりは「ただ幸せな結末を迎えてくれたら」という心持ちで劇場へ向かった。

そのため魂の片割れ同士である、と言うカイロレンの言葉を聞いて、私の中では「OKこれは恋愛ではない、さらに崇高な何かのお話なのだ」と(勝手に)解釈しており、キスシーンで逆に混乱というか動揺してしまったのが正直な感想だった。

もう何回か落ち着いて見たら(落ち着くなんてありえないかもしれないが)考えも変わるかもしれない。他の皆さんの感想もたくさん聞いてみたい。

「すずさん」は「すずさん」であって、「のん」ではないという話(「この世界の片隅に」)

※下記はネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください

 

 

 

TwitterもといWeb上を見渡す限り、大絶賛の嵐である。

背景の作画がすごい、綿密な取材がすごい、飛行機の爆撃音がすごい。それから何より、のん=能年玲奈の演技がすごい。

 

確かにその通りだ、その通りなんだけれども、劇場で感じたささやかな違和感を忘れないうちに記しておきたい。当然ながら個人の主観に基づく感想であり、作品の価値を下げる意図は全くないことも念のため述べておく。

一言で言えば、「のんさんの役者っぽさ=声優っぽくなさが気にかかる」という事である。場面をざっと列挙すると、例えばこういう所である:

・子供の姿と成長後の姿で、声の高さなどが変わっていない

・喋り方の癖が少々わざとらしい気がする(主人公がマイペースで個性的だから、という意味ではなく、映画の世界観から浮いている…気がする)

・最後の慟哭シーンで、映像(表情)と声の雰囲気に差がある(このシーンだけ特に演技がアニメではなくドラマ的であり、現実に引き戻される感覚)

 

この違和感は、小さなしかし固く溶けないしこりとなって心の隅に残り続け、二度目を見る足を止めているのだ。普通の人にとって映画は(特に劇場では)一度のみ観るものだろうから、おかしな感想であることは百も承知、承知なのだが。

個人的には、実力のある声優さんが起用されなかったことだけが、残念でならないのである。

 

そして、のんさんに非がないことは百も承知だが、彼女の事務所問題に端を発したメディアの圧力に、作品自体が被害を被っていることが無念でならない。

もし彼女が起用されていなかったら、あらゆる広告媒体から避けられて不当に宣伝が取り消される事態も避けられたのではないか、もっと多くの人に、普段アニメを見ないような人達にも知られていたのでは…と思わずにはいられないのだ。

 

(くどいようだが、「この世界の片隅に」という作品自体は大好きだ。映画化が決まる随分前から原作を愛読していたし、鉛筆書きのような独特のタッチや、当時の生活風俗を紐解くような内容も興味深く読ませていただいた。)

 

…誰か同じ感想を共有する人がいないかなあ、というささやかな願いを込めて、ネットの海へ放流してみたい。これが個人名義のTwitterへの投稿だったら、或いは映画レビューサイトもしくは「はてな」的な場所への投稿だったら何かしらのフィードバックが得られただろうが、炎上を恐れて個人ブログへ綴る気弱さを許してくれ。

ブログ始めました

このブログは、はたと日常のアウトプット不足に気づいた管理人が思考を整理する為に始めたものである。分野はたぶん次のようになる:

出版、電子書籍、図書館、書店、もしかしたら転職、お絵描き、写真、旅行(特に欧州)、ゲーム、読書、ガジェット

ブログのPVを伸ばす為にはジャンルを絞るべき、というのは言わずと知れた法則だけれども、何せ途方もなく飽きっぽいものだから、絞ってしまうと続かない気がする。

少なくとも最近は、日常的に面白いと思ったコンテンツを中心に書いていこうと思う。

どうぞ宜しく。

 

ユーリカ 拝