ユーリカのひとりごと

映画の感想や日々思うことなど

「LEGO スター・ウォーズ/恐怖のハロウィーン」英語トレーラーを和訳してみた

9月8日、Disney+で10月8日に配信予定の「LEGO スター・ウォーズ/恐怖のハロウィーン」のトレーラーが公開された。

第二弾のポスターもとても可愛い。色が変わってしまっているBB-8(?)も気になるし、レンのマスクに反射しているセイバーは何者なんだ。

LEGO Star Wars Terrifying Tales Poster Released | What's On Disney Plus

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トレーラーには、筆者の大好きなカイロ・レンのみならずベン・ソロまでがっつり出てきてテンション急上昇。そうして二度三度と見るうちに「これ、英語の教材にぴったりなのでは?」と思うようになった(子供向けで発音が聞き取りやすい、YouTubeで字幕が出せる、文法も易しいが、少しひねくれた表現・引用も出てくる)。気になったので、一度セリフを書き出してみることにした。

※英語の内容は、筆者がディクテーションしたものをYouTube版の英語字幕でチェックしている(発言者の名前もそこから引用/一部変更したものもあり)。日本語訳は、(日本語版字幕の引用ではなく)オリジナルで作成。映像の字幕は一秒間に表示できる文字数に制限があるため意訳せざるを得ない部分もあるが、ここでは考えずに直訳寄りにしている。

※筆者の英語能力は、英語を使う系の学部卒・英語専門の家庭教師をしていた英語マニアで変な間違いはしていない・・・と思いたいが、所詮素人の域は出ないので、おかしな点があれば指摘していただきたい。

それではまず本編(英語版)をどうぞ。


(POE DAMERON) I got a baaaaad feeling about this.
とっっっっても嫌な予感がする
→ めっっっちゃ悪い予感が伝わってきますね。

 

What is this place?
いったいこの場所は何なんだ?
→ is にアクセントが置かれていて、疑いの気持ちがMAX。

(GRABALLA) Castle Vader!
ヴェイダー城!
→ レゴの商品名に「Darth Vader's Castle」がある。
→ 「Graballa(グラパラ・ザ・ハット)」は「LEGO フリーメーカーの冒険」シリーズに出てくるハット族。

 

The galaxy's first all-inclusive luxury theme resort!
銀河初、オールインクルーシブのラグジュアリーなテーマリゾート!
→ 「オールインクルーシブ」は、代金に食事やアルコール、アクティビティ代などがコミコミになっているバカンスのパッケージ。リゾート地によくある。のんびり連泊が基本で、欧米系の旅行者に人気。

 

(DARTH VADER) Feel the power of the dark side!
暗黒面の力を感じよ。
→ これは説明不要でしょう・・・!

 

At the Empire Emporium! Now open, now open, now open...
帝国エンポリウム新規オープン、新規オープン・・・
→ Emporiumは、ディズニーランドの入口付近にある大きなギフトショップのこと(USAの2カ所、東京、パリ、香港のパークで共通)。ここではおみやげ物屋さんの代名詞のように使われてますね。
→ エンパイア・エンポリウムの語呂の良さが感じられる。

 

(BB-8) BWHAAA-BWHOAAA!
→ 発音表記が合っているかわからないが、これは間違いなく「Oh↑ No↓」のアクセント。ベイマックスとかが言うセリフ(伝わってほしい)。

 

(VANEÉ) Within these walls lies tales almost too terrifying to tell.
この壁の向こうに潜む物語は、語るに怖すぎるものばかり。
→ tで韻を踏みまくっているのでテンポが良い。
→ Within~を前に出したので、動詞が二番目の節に来て、主語が後になる倒置が発生している(ドイツ語っぽい)。古めかしさを表現。
→ VANEÉ(ヴァニー)は、ダースヴェイダーに使える従者で、ムスタファーのヴェイダー城で補佐官を務めていた・・・らしい(Wookiepediaより)。

 

Would you like to hear them?
お聞きになりたいですかな?
→ うやうやしい丁寧語。ホーンテッドマンション的な雰囲気。

 

(GRABALLA) Was that lightning inside?
これは雷・・・室内で?

 

Whoa! That's a big one!
うわっ、これはデカい!
→ このシーンでレゴお約束の髪の毛パーツ外しが発生。今回のターゲットはポーだった。

 

(VANEÉ) The legendary tales of the Sith speak of the thirst for power.
"力"への渇望が語られる、シスの伝説の物語。
→ 英語圏って強調表現でlegendaryとかfabulousとかよく使う気がする。日本語に直訳すると虚飾っぽくなってしまうから難しい。
→ ここのforは、「long for、thirst for、aspire for」など何かを激しく求める表現のfor。テストに出ます!

 

(REN) Sooolooo.
ソロの坊や。
→ この言い方だけで「もう逃がさないぞ」感がつよい。

 

Join us, Ben. And take what you want.
仲間になれ、ベン。そしてお前が望むものを掴め。
→ 後半は意訳ポイントで、「やりたいようにやれ」とかですかね。日本語版の字幕は「暴れろ」でシンプルにかっこいい。
→ この辺りの詳しい経緯はアメコミ版「The Rise of Kylo Ren」で語られているので、気になる人はぜひ読んでみてほしい!電子書籍版が読みやすい・入手しやすいのでおすすめ。

 

(PROTOCOL DROID) Will you please? This isn't funny!
おやめください!面白くないですよ!
→ 「Will you please」全体の雰囲気にそぐわない丁寧さで逆に笑いを誘う。
→ このプロトコルドロイドの種類がわからない。有識者コメント求む...

 

(VANEÉ) The devotion of the undead.
不死者たちの献身。
→ 公式の日本語字幕では「亡者たちに対する献身」とあるが、画面を見ると亡者たちが献身させられているので逆な気がするんですよね・・・。
→ ここは「死者の〜」などと訳したくなるが、「Un」deadなので単なる死者ではないとも言えるため、訳すのが難しい。

 

(MOTHER TALZIN) Rise! Rise!
よみがえれ!よみがえれ!
→ ここではゾンビ的な蘇りですが、何度も聞いていると「The Rise of Skywalker」が違った意味に聞こえてきそう(作者は間違いなくわかってて言わせているでしょうが)。

(MOTHER TALZIN) Uh-Oh.
あらら。
→ さっきのBB-8のセリフと同じようなアクセント。

(VANEÉ)And submitted for your approval.
それから、 あなたの欲望について。
→ この文は全体の中で一番訳出しづらかった・・・。
→ 1995年の映画「Rod Serling: Submitted for Your Approval」が元ネタっぽい。
→ カナダ/アメリカ共同製作の長寿テレビ番組「Are You Afraid Of The Dark: Rules The Midnight Society Must Follow」のテーマ曲(or挿入曲?)がDacota Floydの「Submitted for the Approval of...」というらしく、こちらから来ているかも?深堀りすると際限がなさそうなので、今回はこのあたりで止めておく。

 

A tale of desire.
強き願いの物語。

 

(LUKE SKYWALKER) I wish I was a pilot.
パイロットになれますように。
→ wishの後のthat節(that省略)は仮定法、願望を表す過去形になる。ここもテストに出ます!
→ ルークが手に持っているのは猿の手。イギリスの怪奇小説「The Monkey's Pow」(1902)が元ネタで、様々な作品に描かれる(パッと思いつくだけでも西尾維新の小説「化物語」、CLAMPの漫画「xxxHOLiC」)。持ち主の願いを最悪の形で叶えてくれるのが特徴。Wikipediaであらすじが読めます。

 

(TIE PILOT) Join the Imperial Academy!
帝国アカデミーに入りなさい!
→ そういえばルーク、当初は友人たちと一緒にアカデミーへ行きたがってましたね。
→ どうでもいいけど、コミックやアニメシリーズに出てくる帝国軍のTIEパイロットは黒髪率が高い気がする。

 

(DARTH VADER) I will train you.
お前を鍛えてやろう。
→ ヴェイダー郷が直々に指導、こんな物語もあったかもしれないなあ・・・

 

(LUKE SKYWALKER) Oh yeah! HAHAHAHA
やったー!


(YOUNGLING) Is that really what happened?
これは本当に起きたことなの?
→ TVシリーズのアニメ「レジスタンス」は、ポーのレジスタンス内での弟子筋っぽい若者が主人公だったが、ここに出てくるの青年もその一人のようだ。

 

(POE DAMERON) No, it's not.
いや、違う。
→ この物語が本編ではないことをキッパリ断言しているわけだが、そんなにはっきり言わなくても・・・ベン・ソロが頑張ってるのに・・・という個人の感想。

 

(PROTOCOL DROID) Be afraid! Be very afraid!
→ 怖がってください、とても怖がってください!
→ 1986年の映画「The Fly(ザ・フライ)」のキャッチコピー。
→ 薄々気がついているけどこのハロウィン特番、かわいいレゴの皮を被った大人向け作品ですよね・・・?

 

(TWI'LEKS) Monster!
怪物だ!
→ スターウォーズの異星人たちに怪物呼ばわりされるの、冷静に考えるとなかなかシュール。

 

(DARTH VADER) So, what do you think?
ご感想をどうぞ。
→ この人たち(ベイダー郷と皇帝)、昨年末のホリデーシーズン物語でも漫才やってましたね。

 

(EMPEROR PALPATINE) Huh! A little on the nose is what I think.
ハッ、普通すぎてつまらんわ。
→ a little on the nose は、「かなり直接的(で失礼)」という意味のイディオム(知らなかった・・・)。

 

(POE DAMERON) Everyone can be a scared, kid.
だれだって怖いものくらいあるさ、少年。
→ ここでベンを映されると泣いてしまう・・・!

 

Without fear you can't have courage.
恐怖がなければ、勇気を持つこともできないんだ。
→ 良いこと言っている風だけど、何か気になるセリフ・・・

 

(BATTLE DROID) Heeeeeeeere's B-14961138!
こちらは番号B-14981138!
→ 数字のディクテーションって簡単そうで難しい。リスニング問題でパニックになってしまうことも多いので(そのわりに回答に直結する)、これはよく練習しておきたい。
→ 言わずと知れた、映画シャイニングのパロディ。

 


書き起こしは以上でした。筆者個人的にはホラーやミステリ系の作品が苦手なのであまり見てきていないが、その方面に詳しい人が見れば、更にたくさんのパロディを発見できると思われる。そして、つくづく翻訳作業は教養と調べものが肝要な仕事だと実感した。機会があれば、本編の書き起こし・翻訳にも挑戦してみたい。

 

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