ユーリカのひとりごと

映画の感想や日々思うことなど

映画「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」感想

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かつて翻訳家を志した身として、一度は観なければならないような気がした。黙々と机に向かう翻訳家という職業が映画の主題に取り上げられるのは珍しいような気もした(実際、Filmarks では本作品の他にヒットしない)。

 

映画のポスター、書籍に帯がかかっているデザインなのも素敵。いつもは海外版ポスターの方がかっこいいと歯痒い思いをするのだが、今回は魅力的なローカライズに納得。

 

ストーリーはというと、超人気ミステリー小説の完結編の出版にあたり各国の翻訳家が洋館の地下室に隔離されてしまうところから物語がスタートする(このシチュエーションが実話ベースというから驚きだ)。現代を舞台にした作品で、携帯電話のない完全な密室の再現が難しい昨今だが、この手があったとは。
また日本のニュースではあまり取り上げられないが、「注目作品のネット流出・脅迫」は時々発生している問題であり、とても現代的なテーマになっていて面白い。

 

翻訳家たちの置かれた状況も様々で、仕方なく翻訳をしている者、登場人物に没入する者。家族もいたりいなかったり。実際に各国出身の俳優女優が起用されていてリアルだ。

 

公式サイトを見ていたら、(本作の状況の元になった)「インフェルノ」の翻訳を手がけた越前敏弥さんと、映画の字幕翻訳を担当された原田りえさんのトークショーが開催されていた。これは行きたかった…!

 

■ 10人目の翻訳家になりかけた!?翻訳者が明かす裏話 多言語ならではな驚きの字幕付けエピソード『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』
https://www.google.com/amps/movie.jorudan.co.jp/news/jrd_200129_03/amp

 

(これはFilmarksの投稿と同じものです)